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屋根用化粧スレート

解説

今回の試料は、平成3年(1991年)築の木造建築物の屋根に施工されていた屋根用化粧スレートです。
設計図書ではコロニアルの施工となっていました。

屋根用化粧スレートは、セメントを主原料とする薄い板状の屋根材で、強度や耐久性を高める目的でアスベスト繊維を配合した製品があります。
戸建住宅や集合住宅、店舗、小規模な事務所などの勾配屋根に広く使用されてきました。
陶器瓦と比較して軽量で施工しやすく、さまざまな屋根形状に対応できることから、住宅用屋根材として普及しました。
表面には着色塗装が施されており、一般的には野地板の上に防水シート(ルーフィング)を敷き、その上に化粧スレートを重ねて釘などで固定する方法で施工されています。
古い防水シートにはアスベストを含む製品もあるため、屋根用化粧スレートだけでなく、下地に使用されている材料にも注意が必要です。
古い屋根用化粧スレートには、強度や耐久性を高める目的でアスベスト繊維を配合した製品があります。石綿含有屋根用化粧スレートは、レベル3の石綿含有成形板等に分類されます。
通常の使用状態では比較的アスベストが飛散しにくい建材ですが、経年劣化によって表面が摩耗したり、切断・破砕などの作業を行ったりすることで、石綿を含む粉じんが発生するおそれがあります。
代表的な製品名には「コロニアル」「カラーベスト」などがありますが、これらの名称で呼ばれる製品には非アスベスト製品もあるため、製品名や外観だけで石綿含有の有無を判断することはできません。

施工箇所例

屋根

主な用途

屋根材

使用時期

1971年-2004年頃

代表的な商品名

カラーベスト・コロニアル・フルベスト・ハイルーフ

報告システム上の名称

屋根用化粧スレート

分析内容

今回の試料は、表面に塗装が施されていましたが、板の断面を肉眼で観察すると繊維が確認されました。
ただし、屋根用化粧スレートにはアスベスト以外の補強繊維が使用されている場合もあるため、肉眼観察だけで石綿含有の有無を判断することはできません。
分析では、セメント系材料などに含まれる酸可溶成分を塩酸処理によって除去したうえで、偏光顕微鏡による観察を実施しました。
偏光顕微鏡観察では、クリソタイルに特徴的な細く湾曲した波状の繊維形態が確認されました。
屈折率1.550の浸液を用いた分散染色観察では、繊維の長軸方向に直交する方向(⊥)で青色、平行な方向(∥)で赤紫色の分散色が確認されました。
さらに、クロスポーラによる観察では複屈折と直消光が認められ、鋭敏色検板を用いた観察では伸長の符号が正であることも確認されました。
これらの繊維形態と光学的性質を総合的に評価した結果、クリソタイルが検出され、石綿含有率を5~50%の範囲と判定しました。

クリソタイル:分散色 青(⊥,1.550)

クリソタイル:分散色 青(⊥,1.550)

クリソタイル:分散色 赤紫(∥,1.550)

クリソタイル:分散色 赤紫(∥,1.550)

クリソタイル:クロスポーラ 複屈折有・直消光

クリソタイル:クロスポーラ 複屈折有・直消光

クリソタイル:鋭敏色検板 伸長の符号が正

クリソタイル:鋭敏色検板 伸長の符号が正

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